第2章

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「いかにもライアスは私の弟ですが……」 帝王の眼差しに不吉な予兆を感じたのか、セレオスは素早くライアスを背に庇い、警戒するように目を光らせた。 「おまえの弟を俺に差し出せば、見逃してやる。贖罪の捧げものとして、その綺麗な王子をアスラン帝国に差し出せ」 ひどく残酷な表情で、帝王は高らかに言い放った。 意地悪く細めた目で「どうする?」というようにセレオスをみつめる。 「なっ……!」 セレオスは、愕然と目をみはった。 ライアスも、息を呑んだ。 そんなふたりを愉し気に眺め、帝王はさらに言葉を継いだ。 「もちろん、おまえの弟には罪を償ってもらう。俺の城で、たっぷりとな。アスラン帝国に来れば、おまえの弟は死ぬほど辛いめにあうが……」
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