第2章

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「ならぬっ!!絶対に行かせぬ!!」 ライアスをいっそう強くかき抱いて、セレオスは叫んだ。 骨も砕かんばかりに抱きしめられて、ライアスは痛みにあえいだ。 「我々も同じ気持ちですっ!!」 「ライアスさまをアスラン帝国には渡しません!!」 「ライアスさまを犠牲にしてまで生き延びようとは思いません!!」 重臣たちも、口々に叫んだ。 (みんな…………) ライアスは、胸が熱くなった。 「離してください、兄上。兄上が何と言おうと僕はアスラン帝国に参ります」 セレオスの胸に両手をつっぱり、ライアスは身をよじってもがいた。 だが、力では兄にかなわない。 「だめだっ、ライアスッ!!そんなことは許さぬっ!!」 ふいに、帝王が笑い出した。 「何がおかしいんですっ!」 ライアスを抱きしめたまま、セレオスが顔をあげてキッと帝王を睨みつけた。
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