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いきり立つ男たちを、リーダー格の男が片手をあげて制した。
「言わせておけ。どのみち、こいつに勝ち目はない。生け捕りにして、口のきき方を教えてやろう。その細っこい体に、たっぷりとな」
少年をみつめる男の目には、異様な熱いぬめりがあった。
殺気立っていた男たちも、少年を捕らえた後の愉しみに思いを馳せたのか、だらしなく口もとを弛めてあでやかな美貌にねっとりと視線を絡めた。
少年はひと事のように涼し気な表情で、ただ静かに男たちと対峙している。
「殺すなよ。怪我を負わせて生け捕りにしろ」
熱い視線を少年に絡めたまま、リーダー格の男が低く念を押した。
それを合図に、漆黒の騎士団がいっせいに少年に斬りかかる。
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