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「ん? 斉藤(さいとう)とも知り合いなんだ」
「はい」
奈央の苗字を言われて頷くと、先生はニッコリ笑った。
「そっか。しばらく出席番号順の席になるから、早乙女の席は斉藤の後ろだぞ」
「ほんとですか?」
パッと顔を明るくしながら奈央をもう一度見ると、確かに後ろの席が空いていた。
「じゃあ、もう席についていいから」
先生に見送られて、奈央の後ろの席までいく。
「美波ー、やっぱ同じクラスだったね」
「うん!」
「にしても、ほんと拓真っておバカだよね。予想以上の反応で満足かも」
奈央は振り向きながら、ニヤニヤと人の悪い笑みを浮かべている。
拓真?
「……あ!」
ハッとして、奈央のように後ろを振り向くと、さっき立ち上がったメガネの男子がふて腐れた表情でわたしを見ていた。
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