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「そういえば拓真の苗字って滝沢だったっけ……」
なんてことだ。
すっかり忘れてたよ。
「美波ってなにげに酷いことをさらりと言うよね。本気であいつが拓真だって気付いてなかったでしょ」
「だ、だって……」
もう一度、メガネの男の子を見る。
よく見れば、確かに私が知ってる拓真の名残がある気がした。
「顔が違うように見えたんだもん。前はメガネなんてかけてなかったし……拓真ってあんな顔だったっけ」
「まあ、3年も会ってなきゃ顔もかわるかな。拓真もだいぶ男臭い顔になってきたしね」
「お、男臭いって……」
「ちなみに美波はあんま変わってないけどね」
「それって成長してないって言いたいの?」
「あはは。どうかな~」
じっと睨むふりをしてみても、奈央は楽しげに笑ったままだ。
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