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「しかしおめえ、勤めてから1年経つのか。よく続いてるな」
「へへっ。土方だなんて疲れるし辛えことばっかだけどよ、生活に張りってもんがあってよ」
「なんだよそれ」
「ま、働いてみりゃあ分かるさ」
拓哉も以前は博信同様悪さばかりするような男であった
だから、博信の数少ない理解者でもある
「なぁ博信、お前やりたいこととかねえのか?」
「ねえな」
「働くってのもいいもんだぜ?自分で金稼いで、自分の好きなモンのために使って、そりゃあ仕事はキツいけど、給料受け取ったときゃあそれなりの達成感も味わえるしよ」
「ケッ…」
博信は全く乗り気ではない
「そうだ!今俺の会社人を募集してんだけどよ、一緒に働かねえか?」
「全然興味ねえよ。土木とかさ」
全く乗り気ではない博信に、拓哉は嫌気がさしていた
「…なあ博信、お前いつまでそうしてんだよ」
「…は?」
博信と拓哉との間に少しピリピリとしたムードが漂いはじめていた
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