お前も、死んでくれよ

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時計を見ると2時を過ぎていた。 私は慌てて衣装ケースから礼服を探しだす。 「何してんだよ?」 先輩は、不思議そうに顔を覗き込む。 「先輩が本当に死んでるんなら、今夜、通夜があるから。」 「……………。」 先輩は、黙って見ていた。 「……、向こうへ行っててよ。着替えるんだから。」 「なんで?平気で俺の前で寝るくせに、着替える事は出来ないの?」 「!!」 カァッと顔が熱くなる。 『何か言い返さないと』と言葉を探していると、先輩は私の顔を見ながら言う。 「その反応…、好きだった。」 先輩は、フッと笑う。
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