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着なれない礼服を身にまとい、鏡を見つめる。
隣に腰を下ろして座っている先輩の姿は、映っていなかった。
「………………。」
先輩は、本当に死んだんだ。
「斎藤……」
突然先輩に名を呼ばれる。
「セックス……したいな…」
ドキッと胸が高鳴る。
エッチするまで死にきれない……そう言っていた先輩の言葉を思い出す。
「先輩は死んじゃったから、無理でしょ」
私は笑って返す。
先輩は、しばらく黙ってから一言言う。
「じゃあ………お前も、死んでくれよ」
ドキリッ………
違う意味で再び心臓が高鳴る。
「え……!?」
驚きのあまり、私は変な声が出る。
先輩は、笑いながら「なんてな……」と答えていた。
「……………。」
目が本気だった……。あまり冗談として取れなかった。
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