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「悪い!」
手を合わせながら謝る九条。
「はぁ、お前なぁ、俺だけならまだしもクラス全員巻き込むってなぁ」
それに対して呆れた態度を取る少年
「俺も騙されたんだよ!!」
強調する九条
この密室にクラスの全員31人が集まっている理由、それは九条がある日受けた一通の手紙が原因だ
「ほんの冗談のつもりだったんだ、まさか閉じ込められるなんて」
顔を青くして語る九条。
「とりあえずもう一度手紙の内容を確認しよう」
少年が冷静に言う。
「ああ、確か内容は...」
敬愛する九条様へ
あなたは選ばれたのです。
指定した日、指定した場所にあなたのクラスメイトをお呼びください。
もちろんあなたも含めて。
叶いましたなら最高のショーをご覧に入れましょう。
「とか言う感じだった。」
落ち着きを取り戻した九条が説明する。
「そんな怪しいのよくもまぁ...」
また呆れ顔になった少年が言う。
「だから冗談のつもりだったんだよ、それに指定された場所がこの校内だったから安全だと思ったんだよ!」
九条が言うと佐久間さんが間に入った。
「まぁまぁ、落ち着いてください、確かにここは校内ですからすぐに警備員の方が見つけてくれますよ」
柔らかい口調で諭す。
「しかしまぁよくもそんな事の為にみんなを集めたもんだな」
風間も会話に入ってくる。
「不思議なもんさ、みんな今日は時間が空いてたんだからな」
九条が答える。
「それにしてもヨォ、なんでドアが開かねぇんだヨォ」
巨体の男が言う。
彼は岩倉、としておく。
彼はその大きさ故に皆から恐れられているが実は優しかったりする。
いやバカなだけかも。
「それは私も不思議に思ってたんよぉ」
呼応するのは不思議系女子の、名前は仮に美樹。
彼女はよく言えば不思議系だが悪く言えが変人、あまりよく思っていない連中もいる。
「確かにみんなで体当たりしてもびくともしないなんてな」
少年が答える。
ここは、2-3の教室である。
クラスみんなが閉じ込められて30分ほど経過する。
「しかも圏外だし」
ギャル系の子、名前は仮に江本。
彼女の口癖は「~だし」である。
「これじゃ助けよべないね」
「そうだねー」
二人で言葉を交わす少女たち、彼女らは双子で、なかなかに瓜二つである。
姉を京子、妹を裕子としよう。
「みんな九条のせいですまんな」
少年が軽く謝る。
「お前が謝るなよ、謝るのは俺の方だろ、みんなすまん」
九条が深く頭を下げる。
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