始まりの章

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丁度その時、始まりのチャイムが鳴った 《キーンコーンカーンコーン》 《2-3のみなさま》 《こんばんわ》 《こんな時間にお集まりいただきまして、まことにありがとうございます》 《現在、校内には貴女方以外は誰一人いません》 《そして、お気づきでしょうが外部との連絡は不可能でございます》 《まずは最初なのでサービスとして2-3教室のドアをお開きいたしましょう》 《では、どうぞごゆるりと》 放送が終わる。 「なんだよ、今のは」 少年が誰にというわけでもなく問いかける 「くそ、放送室からか!?」 九条が声を上げる。 ガラッ、風間が教室のドアを開ける。 「本当に開いたぞ...」 驚きの表情を見せると次は凛とした表情で「放送室へ行こう」とみんなに言った。 この言葉に少年は九条と顔を見合わせて 「行くしかない」とうなずいた。 「待てヨォ、行くって何人で?」岩倉が問う。 「そうだな、俺と九条と少年と岩倉の四人で様子を見に行こう」 風間が応える。 しかしこの判断が31人を分裂させてしまう事になる。 「そうだな」九条が同調する。 「でも四人じゃ危ないですよ...」佐久間さんが小声で言った。 「まぁ男四人もいりゃ大丈夫だろ」少年が応える。 「心配だね」「本当だよ」京子と裕子が言う。 「てかさぁ、動くのまずくね、まずこの状況がわけわかんないんだし」江本が四人を留める。 「だが手掛かりは放送だけ、この場合はこの方法しかない」風間は冷静に言う。 「まぁとにかく行ってくるからヨォ」岩倉が手を振る。 四人が教室を出ると、その足音は闇の中に消えて行った。 教室に残された人数27名 生存者31名
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