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手を前に振りかざす……すると、白銀の杖が現れ、普段見慣れた服だったものが、この世の物とは思えない純白のドレスへと変わってゆく…
レイスは母親のあんな姿を見たことはない。
驚き、戸惑いの言葉よりも先に出たのは……
「きれ…い……」
その一言に尽きた。
ルナティはスタスタと兵士の集団へと近づいてゆく。
兵士の一人がそれに気付く。
「なんだ?あれは…天使…??」
厳つい顔をした兵士が、気づいた兵士の頭を小突く。
「バカ。天使なんている訳ねぇだろ。」
ルナティは兵士たちへと杖を振りかざすとこう叫んだ。
「出て行け。この森は貴様らのような野蛮な輩が来るような土地ではない!大人しく出て行けば、危害は加えない」
まるでそれはこの森の守り神のような言葉であった。
「ククク……アッハハハハハッ」
もう一人の若い兵士が笑い始める。
まるで生き物を虚仮にするような、そんな笑い声で。
「お前バカじゃねぇの?この人数を一人で倒すってか?」
バカにした表情から一気に冷酷な表情へと変わる。
その手には銃が携えられていた。
母親へと銃口を向ける…。
レイスが声を上げようとするがいきなりの事に声が出ない。
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