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──鳥の囀りが聞こえる。
黒毛の青年…レイスはうるさそうに寝返りをうつ…。
「う……んぅ…」
あの日から10年の歳月が過ぎた。
俺はとある少女に拾われ、ソイツと暮らしてきた。
少女はあの戦争で親を殺された挙げ句、姉まで拐われたらしい。
拾われた後、俺が目を覚ますと、やはり母さんはいなかった。
──帰ってこないと、わかっていたはずなのに…。
耐えようのない悲しみがまた込み上げてくる。
「──独りって…こんなに淋しいんだ…」
気がつくと、いつもそこには母さんがいた。
その存在が今は──
「母さん…僕はどうすれば……」
暫く黙った後…気付いたんだ。
──探せばいいんだ、と。
来るのを待ってもしょうがない。
探そう──たとえ、どんな悲しい事実があったとしても、目を背けない。
あの時、そう決心した。
そして、俺は少女と旅に出た。
──母さんを探すために、少女は姉を探すために。
現在はその道中な訳だが……
「ふぁあぁあ……」
大きな欠伸をし、目を醒ます。
寝起きのせいか、身体中の毛に寝癖がついていた。
俺が今いるのはあの森から遠く離れた街、フェルグス。
町が森林に囲まれた街だ。
そこの宿屋に宿泊している。
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