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『皇国軍は悪しき力ふるいて国を奪い、大陸を揺るがした。だが天使が舞い降り、皇国軍を一撃で壊滅まで追い込み、二撃で根元を滅し、三撃で皇国自体を消した。』
これはあの戦争についてのある伝記の一節だ。
恐らく、天使とは母さんの事だろう。
しかし、これにはまだ続きがある。
『天使はその後、何処かへ消えていった。その行方は誰も知らない。』
と、いうことは…だ。
シャワーから上がり全身の水気を取ると、準備しておいた服を着る。
そして呟いた。
「母さんは生きている!」
いや、正確には生きているかもしれない…か。
脱衣場から出ようとするとドタドタと走る音が…
「来たか…」
大きく溜め息をつくと、脱衣場を出て左にあるドアへと聞き耳をたてる。
───音が近付いてきた。
すぐさまドアから離れ、死角へと身を潜める。
「レェェイスゥゥゥゥ!」
勢いよくドアが開いた。
そこから素早く『謎の物体』が飛び込み…そのまま正面にある、俺が寝ていたベットへと突っ込んだ。
「……あれ?レイスー…?」
突っ込んだ隙に逃げようとした俺の足が止まる。
「お…おはy」
こちらが挨拶するより早くソイツが抱きついてきた。
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