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「はぁっ…はぁっ……」
俺は宿屋から飛び出し、街道の少し先にあるレストラン前に来ていた。
深呼吸し、息を落ち着ける。
「ここまで来りゃあ、そう簡単には………さて、飯食うか!」
意気揚々と店内へと入る。
席へと座り、適当にメニューを選び頼んだ。
………一応…二人分の。
「レイスゥッ!!!!」
ルレアが息を荒げながらレストランに入ってきた。
…早い。あまりにも早い。
何故見つかったんだ……。
他の客が何事かと振り返るが、ルレアはそれには目もくれず此方へと歩いてくる。
そして俺の前の席にどんっと座ると、睨みながらこう言った。
「酷いじゃないっ!乙女心を弄ぶなんてっ!」
テーブルをバンバン叩いている。
──いやいや、それよりこっちの迷惑を考えてないよな?お前…。
レイスはそう思いながらルレアを見つめる。
その瞬間、ルレアの目付きが変わる。
これは…この…とろんとした目は……!!
俺は椅子ごと後退る。
そんな様子を見たルレアは、笑顔でこう言った。
「あとでたーーっぷりもふもふさせてもらうから…」
やっぱりか………。
全身に悪寒が走る。
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