第一章 賑やかなある日。

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「調子にのってんじゃねぇよ…凡人風情がッ!!!」 男が俺の顔へとナイフを振るう。 だがそれは野蛮な輩が振るう刃ではなく、明らかに戦闘経験者が振るう無駄のない刃であった。 レイスは黙ったままそれを避けるが、かすったのか少し頬から血が滲んでいる。 それを軽く指で拭った。 「ほぉ。あれを避けるたぁ…テメェ…。中々やるな。」 男がナイフをまた構える。 「ちょっと一身上の都合でね。色々武術とかかじってるんだ。」 そう答えると、男がゲラゲラと笑い始める。 「だったら…これも避けれるよなぁ!?」 男のナイフが紫色の光を放ちはじめた… 今まで落ち着きを払ったレイスの表情が焦る。 ───コイツ…!ここで雷魔法使う気か!!!! 雷魔法は5属性魔法中、威力が強い魔法が最もある属性だ。 しかも今は室内。 電気を通すものはいくらでもある。 そんなとこで使われたら……全員感電死してしまう。 「クソが……ッ!!」 男の高笑いが店内に響く。 ふと…レイスの頭にあることが過る。 相手が魔法を使う気なら……俺はどうすればいい…? ──魔法を打ち消せばいい。 久しく使っていなかったが、大丈夫だろう。 俺はすぐに落ち着きを取り戻した。
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