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「調子にのってんじゃねぇよ…凡人風情がッ!!!」
男が俺の顔へとナイフを振るう。
だがそれは野蛮な輩が振るう刃ではなく、明らかに戦闘経験者が振るう無駄のない刃であった。
レイスは黙ったままそれを避けるが、かすったのか少し頬から血が滲んでいる。
それを軽く指で拭った。
「ほぉ。あれを避けるたぁ…テメェ…。中々やるな。」
男がナイフをまた構える。
「ちょっと一身上の都合でね。色々武術とかかじってるんだ。」
そう答えると、男がゲラゲラと笑い始める。
「だったら…これも避けれるよなぁ!?」
男のナイフが紫色の光を放ちはじめた…
今まで落ち着きを払ったレイスの表情が焦る。
───コイツ…!ここで雷魔法使う気か!!!!
雷魔法は5属性魔法中、威力が強い魔法が最もある属性だ。
しかも今は室内。
電気を通すものはいくらでもある。
そんなとこで使われたら……全員感電死してしまう。
「クソが……ッ!!」
男の高笑いが店内に響く。
ふと…レイスの頭にあることが過る。
相手が魔法を使う気なら……俺はどうすればいい…?
──魔法を打ち消せばいい。
久しく使っていなかったが、大丈夫だろう。
俺はすぐに落ち着きを取り戻した。
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