第一章 賑やかなある日。

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男のナイフが宙を舞う…。 「しまっ…!?」 俺はナイフを掴み取ると、素早く男の首元へと突きつけた。 「ひ…ッ……!!」 男はさっきの威勢を無くし、ただ怯えるだけとなった。 客の一人が拍手をし始める。 それにつられ、周りからも拍手が起こる。 レイスはナイフを男の首から離すと、男の耳元で囁いた。 「俺の名はレイス・ガルフォード…。通り名は『黒の狩人』だ。』 「ひィッ…!」 すると男の顔がみるみる内に青ざめ、慌てて店内から逃げ出してゆく。 その後を子分が追いかけて行った。 「あ…ありがとうございます!」 先程まで踞っていた店主が起き上がり、ペコリと頭を下げた。 「いえいえ。無事で何よりです。」 俺はその一言だけ言うと、料理を食うのに夢中になっているルレアのところへと向かい、首根っこを掴んだ。 「んむ?ほほへひっへはほ?(何処へ行ってたの?)」 口いっぱいに食べ物を詰めながらもごもごと喋る。 「何言ってるかよくわかんねぇし汚ねぇ!めんどいことになる前にここから出るぞ。宿で準備しないと…」 そう言うと、ルレア食べ物を飲み込みながら、怪訝な顔をした。 「でも…まだ残ってるし…」
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