第一章 賑やかなある日。

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段々ルレアが泣きそうになってくる。 「いいじゃないかぁ…減るもんじゃないし!」 「俺のテンションが下がる。」 泣いた。 「お前は…そうやってぇぇ……いつもいつもぉ…抱かせてくれないんだぁ……!」 「諦めろ。」 結局、ルレアはしょぼんとしながらチェックアウトした。 宿を出る。 ルレアはまだ落ち込んでいた。 「もふもふぅ……ぐすっ」 ──まだ引きずってんのかよ…。 しょうがないな…、とレイスはルレアの頭を撫でた。 「あのさぁルレア…尻尾は絶対ダメだけど、他の所ならいいぞ?」 顔が明るくなる。 「ほっ…本当!?」 俺は黙って頷く。 「じゃぁ…抱きついても嫌がらない…?」 俺は、んー…と悩む素振りを見せ、こう言った。 「時と場を選ぶならいいぞ?」 ルレアはまるで子供のように喜んだ。 そして、喜ぶルレアに幼き自分を重ねる。 ──母さんもこんな気持ちだったのかな…? そう思うと何故か心が和んだ。 街の入り口まで二人で歩く。 そして入り口の門まで来ると、ルレアがいきなり呟く。 「早くレイスのお母さんに会いたいなぁ…。」 「え…?」 突然の一言にレイスが驚く。 「だってさ、伝記にも天使って書かれてるからさ。綺麗なんだろうなって。」 あぁ…と、俺は納得した。 「綺麗だし、美人だぞ?お前の何倍も。」 皮肉混じりにそう答えるとルレアが少し膨れた。 「ちょっと…それどーゆーこと?」 俺は満面の笑みを浮かべる。 「そーゆーことだ!」 そう言うと門を駆け抜けた。 「ちょ…!もー…待ってよー!」 後からルレアがついてくる。 ───母さん!何処にいるかわかんないけど、絶対に見つけるからな! こうして二人はまた、旅路についたのだった。
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