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彼女は深々と頭を下げる。
──きっと彼は私を怒るだろう。だっていきなり林を飛び出して、驚かせたあげく尻餅までつかせたんだから。
恐る恐る彼を見る。
が、彼は地面に座ったまま、私を見つめて動かない。
『あのー…大丈夫…?』
目の前で手を2、3度振ってみる。
すると彼は、はっとしたように頭を振り、すぐ様立ち上がった。
『へっ平気!その…あまりにも綺麗で…』
『えーと…なにが…?』
彼女が尋ねると、彼は顔を反らし赤面しながら答えた。
『…キミ』
私は口をつぐんでしまった。
彼の放ったその一言は、彼女の心を確信へと繋げるには十分すぎたのだから。
──私…彼のことが好き。
これを一目惚れというんだろうな…と彼女が思っていると、不意に彼が口を開いた。
『そ、そういえば、まだ自己紹介してなかったね!僕はカイル!カイル・ガルフォードだよ。』
私も慌てて自己紹介をする。
『あ、え、と…ルナティ・ティファリス!…ルナでいいよ?……カイルは特別だから…』
『ん?ごめん。最後、よく聞こえなかったんだけど…』
『あ、いやいや何でもないよ!よ、よろしくね!カイル!』
『うん!よろしく。ルナ』
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