第二章 封印されしモノ

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この生物が現れ始めたのは、あの戦争が終わってかららしい。 近年旅人を襲ったり、動植物の生態系を壊している原因だと言われている。 「ちょっと!それますますダメじゃない!?出てきたらどーすんのよ!」 かなり慌てているルレアに、俺は笑顔で自信満々に言った。 「大丈夫だって!もしお前になんかあったらすぐ助けるからな。俺に任せとけって!」 それだけ言うと森の中へと歩いて行った。 「あ、まって!!」 ルレアは追いかけようとするが、入り口前で立ち止まる。 ──本当……レイスのこーゆーとこがあるから、私は元気でいられるんだよ…? ルレアは少し微笑むと、またレイスの後を追いかけた。 森へと入ると、やはり見た目通り薄暗く、見たこともない植物が生えたりしている。 俺はまた地図を拡げ、道を確かめていた。 そんな俺の腕に、ルレアがしがみついている……。 さっきから無言でブルブルと震え、この状態だ。 「ま…まぁ…まだっ…先なの…?出口ぃ………ひぃっ!?」 近くの林から何かが飛び出たようだが、周りが暗すぎてよく見えない。 少々身構え、ルレアを庇う。
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