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かと言うコイツは、泣き声になりながらずっと何かに「ごめんなさいぃぃ…」と謝罪している。
とりあえず無害のようだったのでそのまま無視し、森を早めに抜けることにした。
恐がるルレアを引きずりながら森を進んで行くと、段々だか道が拓けてきた。
そろそろ出口か…?と思ったが、そう簡単にこの森は抜けられるものではなかったらしい。
しばらく歩くと大きな岩らしきものが見えた。
「ひぁぁぁ!?ばっ…化けもっ…」
「あーもー!落ち着けってば!」
暴れるルレアをなだめ、少しずつ岩へと近付いていく。
近付くにつれ、それは岩ではなく何かを象った物だと気付いた。
「これは……「首がない巨像」…??」
大きさは俺が二人分は普通にあるだろう。
その巨像の手には大剣を持っている。
よほど怖いのか、ルレアの掴む力が増してくる。
恐る恐る巨像の前まで近付いてくると、何処からか声が響いた。
『我、神槍の守護者なり。汝我に挑みて力を得、この世界の覇者となるか?それとも死を選ぶか?』
「いやいやいや、なんだそのいきなりの二択?」
レイスは思わず突っ込んでしまった。
これもクレイムの一種なのか…?
だとしたら…と、腕を掴んでいるルレアを見た。
「石が喋った…!ほえぇ……」
恐怖心はどこへやら、ルレアは巨像が喋ったことにひどく感動した。
『もう一度聞く…。汝我に挑みて力を得るか?それとも死を選ぶか?』
「レイス、闘(や)るの?」
ルレアが心配そうな声をあげる。
これを断れば死…。コイツに負けても多分…死だろうな。
──やれやれ。とんだ化け物を相手にすることになったな。
そして、レイスは覚悟を決めた。
「この勝負受けてたとう。」
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