第二章 封印されしモノ

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さらにルレアは付加魔法も習得しているため、生成した武器に付加効果もつけることができる。 そうして、生成された斧はレイスの元へと飛んで行く… 俺はその持ち手を掴むと、巨像へと斧を構える。 巨像もこちらへと敵意を向ける。 『来るがよい。』 この巨像の一言で、戦いの火蓋は切り落とされた。 「今回は斧か……。あんまり扱ったことないなぁッ!!」 斧を地面に擦らせ、巨像へと一直線に突っ込んで行く。 巨像もそれを見計らったように大剣をレイスへと叩きつける。 「ふっ…!!」 それを寸でのところで斧で受け流した。 周囲に金属の擦れる音が響き渡るり、両手にビリビリと衝撃が伝わる…。 こんなのをまともに受けたら間違いなく弾け飛ぶだろう。 現に受け流すだけで精一杯だ。 俺は受け流した力を利用し、そのまま回転して、巨像の体を斧で斬りつけようとする。 『甘いッ!!』 しかし、巨像はそれを大剣の腹で受け止め、力任せに空中へと弾き返した。 そして、俺は身を翻すと、着地しまた斧を構える。 『汝…中々やるな…』 「そっちこそなッ!」 俺はまた巨像に突っ込んで行く… 『ふははっ!考えが甘いわっ!一度やった手をもう一度やろうとは!』 巨像が大剣で凪ぎ払おうとしたとき、それを好機と伺い、身を屈め攻撃を避けた。 『何ッ!?』 「甘いのはお前の考えだったな?巨像ッ!!!」 斧を力一杯巨像の片脚に叩きつける。 『ぬぉっ!?』 手応えあり…! いとも簡単に巨像の片脚が砕ける。 ──さっすが!破砕属性様様だな…!! バランスを崩した巨像は、そのまま倒れこんだ。 地面が大きく揺れる。 しかし、俺はその時すでに地面には居なかった。 巨像もすぐさまそれに気付いたらしい。 『……!?一体何処へと…!?』 巨像は辺りを見回すが、それらしき影は見当たらない。 ───まさか…!? 「うぉらあああああああああぁぁぁぁぁッッッ!!!」 『上かッ!!』 だが気づいた時には遅く、レイスの渾身の力を込めた一撃が、石像の脳天へと直撃した。 『ぐ…が…ゴゴ…見事……な、り……』 その一撃で石像の頭部が砕け、それを始めとして全身にヒビが入り、砕け散った。 レイスはそれを確認すると、斧を地面に刺し、石の残骸に向け、嬉しそうに叫んだ。 「ははっ、俺の勝ちだ!!」
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