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「にしても…」
その場に座り込む…
殺るか、殺られるかという緊張から解き放たれたせいか、疲労が急に押し寄せてきた。
「レイス!」
ルレアが血相を変え、駆け寄ってきた。
どうやら武器生成してくれた後、近くの木陰に隠れて見ていたらしい。
「だ…大丈夫…?怪我してない?ってか毛は!?切れてないよね!?」
──お前は俺の心配をしているのか、毛の心配をしているのかどっちなんだよ…。
「ん……。」
無言でルレアに手を差し伸べ、引っ張り起こしてもらう。
その瞬間、レイスの耳に何かが聞こえる。
その【声】は、男とも、女とも言えない不思議な声色をしていた。
『誰じゃ…騒がしい……宴か…──?』
「!?」
レイスが飛び起きた。
突然のことに驚いたルレアは、引っ張り上げた際、逆に尻餅をつく。
「ちょっ…いったぁ…!?何?今度はどーしたの!?」
「…いや…なんか聞こえた…。」
─気のせいじゃないはずだ。
辺りを見回してみる。
ふと、何かに気づいた。
石像の残骸、その奥にある段差に何かが刺さっている。
「あれは…槍…?」
ふと、頭に何かが過る。
『──我…神槍の守護者なり…。』
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