第二章 封印されしモノ

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それでも俺は言われた通りに抜いてみることにした。 ──いや、なんか抜かなきゃならない気がしたからだ。 槍に触れようと手を伸ばした時、その行動を見たルレアがレイスを制止した。 「レイス…このボロ槍をどーするの?ってかさ、さっきから一人で何をしてるわけ?ちゃんと私に全部説明しなさい。」 『ボロっ……!?』 ルレアは俺の目を真っ直ぐ見つめた。 レイスはそんなルレアの目にほんの一瞬だけ母さんの面影を見た。 「…ッ…!?」 その突然のことに息が詰まり、口が開いたまま、何も言えなくなってしまった。 「ちょっと?聞いてんの?」 またもやルレアが睨んでくる。 「あ……!?いや…わりぃ。説明する。」 そして俺は全て説明した。 そこからわかったことが一つ。 どうやらルレアには【声】は聞こえていないらしい。 ルレアは現状を理解すると、自分も槍を抜いて確かめたい、と意気揚々と答えた。 そして…もう一度、俺はゆっくりと槍に手を差し伸べ、軽く掴んだ。 それを横で見守るルレアも、固唾を飲む。 ──意外と硬く、そこまで脆くは無さそうだった。 両手で掴み、ゆっくり力をいれる。 槍はすんなりと抜けてゆく。 まるで誰かが抜いてくれるのを待ちわびていたかのように ──なにが出てくるかわからない。 若干、覚悟をしながらも、槍を抜ききったのであった。
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