第二章 封印されしモノ

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「なぁ…お前…もしかしてさっきの声…?」 獣人が首を縦に振る。 「そう!わっちじゃ!というかの、お前ではなくて、わっちにはちゃんと名前…が…?」 獣人がレイスを…いや、レイスの横を見つめている。 大体予想はつく。 うちにはとてつもない獣人バカがいるんだから。 レイスは嫌な予感を感じながらも、横を…ルレアの方を向いた。 「…ふ…もふもふ……もふもふだぁ…!ハァ…ハァ…」 ──ほら…。やっぱりな…。 「何じゃ…?その娘様子がおかしくなっておらんか…?」 獣人はルレアの心配をしているが…… それよりもこの後の自分の心配をした方が良いだろう。 「あぁ…すっごい…あの人すごい…」 「あの…ルレアさん…?涎垂れてますよー…?」 そんな忠告も無視し、ルレアは獣人の方を凝視し続ける。そして… 「いただきまぁぁぁすッ!!!」 「ちょっとまて……!!」 即座に駆け出そうとしたルレアの襟を掴んだ。 掴まれたルレアは俺を睨みながら叫ぶ。 「行かせなさいっ!あんなに…あんなにもふもふしそうな人…はじめてなのよ!?私はいくわ…!!何がなんでも抱きついてやるぅぅぅぅ!!!」
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