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「なぁ…お前…もしかしてさっきの声…?」
獣人が首を縦に振る。
「そう!わっちじゃ!というかの、お前ではなくて、わっちにはちゃんと名前…が…?」
獣人がレイスを…いや、レイスの横を見つめている。
大体予想はつく。
うちにはとてつもない獣人バカがいるんだから。
レイスは嫌な予感を感じながらも、横を…ルレアの方を向いた。
「…ふ…もふもふ……もふもふだぁ…!ハァ…ハァ…」
──ほら…。やっぱりな…。
「何じゃ…?その娘様子がおかしくなっておらんか…?」
獣人はルレアの心配をしているが……
それよりもこの後の自分の心配をした方が良いだろう。
「あぁ…すっごい…あの人すごい…」
「あの…ルレアさん…?涎垂れてますよー…?」
そんな忠告も無視し、ルレアは獣人の方を凝視し続ける。そして…
「いただきまぁぁぁすッ!!!」
「ちょっとまて……!!」
即座に駆け出そうとしたルレアの襟を掴んだ。
掴まれたルレアは俺を睨みながら叫ぶ。
「行かせなさいっ!あんなに…あんなにもふもふしそうな人…はじめてなのよ!?私はいくわ…!!何がなんでも抱きついてやるぅぅぅぅ!!!」
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