2人が本棚に入れています
本棚に追加
ルレアは襟を掴んだ俺なんて、お構い無しに無理矢理進んで行く…。
全力で引っ張っているのに、今にも力負けしそうだ。
「こ…のぉ…ッ!!おいっ!お前もなんか言って…」
獣人はレイスがズルズルと引きずられて行くのを、楽しそうに見つめていた。
そして、こちらへと歩いて来たかと思うと、予想外の行動にでた。
「何じゃ?わっちに抱きつきたいのか?よいぞ?存分に楽しむがよいっ」
獣人は嫌がるどころか、両腕を広げ受け入れたのである。
「は…?」
レイスはあまりの驚きにルレアの襟を離してしまった。
「あ"っ!?しまった!?」
時もうすでに遅し。拘束を解かれたルレアは獣人の方に走ってゆく。
「んじゃぁ…いっただっきまぁすっ!」
そのままルレアは腕の中へ飛び込んでいったのだった。
──もふ…もふ…むに…
「あれ…!?」
「どーじゃ…?絶世と言われたわっちの毛並みは…?」
ルレアが何かに気づいた。
もう一度確かめる為にもふもふしてみる…
──もふ…もふ…むに…
「……???」
ルレアはもふもふするのをやめ、獣人の方を見た。
「んぉ?何じゃ…?もう良いのか…??」
獣人は首を傾げ、不思議がっている。
ルレアはうんうんと頷き、今度はレイスを見つめた。
最初のコメントを投稿しよう!