第二章 封印されしモノ

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「いやいやなんでそんな事気にしてんだよ俺!?抱きつかれるの好きじゃねぇのに…」 でも…ルレアが俺に抱きつかなくなるのは少し… ブンブンブンっ そんな音がしそうなくらいまで頭を振っているのを、蘭丸がニヤニヤとした顔で見ていた。 それに気づいた俺は、慌ててごまかす。 「はっ!?あぁいやいやなんでも…っ。てかお前らやけに遅いと思ったら、何でそんな仲良くなってるんだ?」 無理矢理話を逸らす。 蘭丸は相槌をうつと、人指し指を立て得意気に話した。 「あぁ、それはな?こやつからわっちと同じ匂いがしたからの。話したら打ち解けてしまってな!」 「同じ匂い…?まぁ…それはわかったけど…ルレア。」 「はっ、ひゃいっ!?」 レイスに急に名前を呼ばれ、声が裏返る。 「お、おお?なんか…熱でもあるのか?顔が妙に赤いし…」 「へっ?あっ…えっ!?いや…あの…な、なんでも…なんでもないよ?元気元気!あはははは!」 本人はそうは言ってるものの、傍からみたら明らかに様子がおかしいんだが… 「そっ…そうか…?まぁ、あんま…無理すんなよ?」 「うん…大丈夫大丈夫!」 ついでに、蘭丸から離れるようにルレアに促すと、ルレアはすんなりと蘭丸から離れた。 「ごめんねー…蘭丸さん…。つい……」 「よいよい。いつでも抱きつくがよい。わっちはいつでも用意はできとるからの♪あ、そうじゃ…」 蘭丸は軽く尻尾を振りながら俺へと顔を向ける。 ──背中に悪寒が走る。 この時の蘭丸の目は…ルレアが俺をもふもふするときの目と同じだった。 軽く後ずさる。 が、後ろが丁度、木のため下がりようがない。 ルレアは唖然としながら蘭丸を見ている。 蘭丸は鼻がつきそうな距離まで顔を近づけてきた。 ──顔が…近い…ッ! 緊張からか、体が強ばる。 それが伝わったのか、蘭丸は妖しく笑みを浮かべた。 「ふふ…そんな警戒せんでもなぁ…。わっちは取って食ったりせんぞ?ま、主にもうひとつの願いがあってなぁ…?それはな……」 一体どんな願いなのだろうか…。 ──にしても…なんで俺、男にこんなことされなきゃ… ゴクリ…と唾を飲む… だが…その願いは至極単純で、簡潔なものであった。 「わっちを…お主らと一緒に旅をさせてくれぬか?」
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