第二章 封印されしモノ

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「……は?」 蘭丸の顔がどんどん近づいてくる。 「──ッ…べっ…別にいい…けど…そ…それより近すぎ…」 「む?おぉ、すまぬ。」 蘭丸は俺に詰め寄るのをやめ、笑みを浮かべる。 俺は一息吐くと、その場にへたりこんだ…。 なぜか変な汗が流れてくる。 「も…もう少しちゃんと頼めないのかよ…」 「いやぁ…お主はルレアより頭が堅そうじゃからな。これが一番効きそうかと…」 「だからって…」 ──効くもなにも心臓に悪いっての…。 俺はまた大きなため息をついた。 そして、大きく息を吸うと同時に立ち上がり、蘭丸に握手を求めた。 「ま、よろしくな?蘭丸。」 「おぅ!よろしくの。」 あちらも手を差しのべ、握手に応えてくれた。 さて…そろそろこの森を出なきゃな…、ふと考えた時、ルレアの異変に気づいた。 顔から湯気のようなものが立ち上がり、目は点のようになり、まるで魂が抜けた脱け殻になってしまっていた。 「ん?おい?ルレア!おーい!」 近くで呼んでみても反応はない。 ただ、微動だにせず何かをブツブツ呟いている。 「レイスが…蘭丸さんに……蘭丸しゃんに……レイスがぁぁ……とられる…とられちゃうよぉ…」
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