第二章 封印されしモノ

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──なに言ってんのかわからんが…何となく…危険じゃないのはわかった。 放っておきたいのは山々だが、このままにしておくわけにもいかない。 とりあえず…どうしようか… そう考えていた時、蘭丸が横からひょっこり顔を出した。 「うぉっ!?」 いきなりの事に俺は飛び退いた 。 「なんじゃ?またルレアが惚けておるのか?仕方がないのう……。」 蘭丸は懐に手を入れ、そこから一枚の紙切れを取り出した。 紙切れには見たこともない文字がかかれているが…一体何に使うのだろうか… 「蘭丸…それは…?」 「まぁまぁ…黙ってみてるがよい」 蘭丸はレイスにそう言うと、その紙切れを軽く…舐めた。 すると文字が赤く光りはじめる… 「こんなもんじゃろ……よし。」 蘭丸が紙切れをルレアの頭上に投げた。 するとそれはパシリと音を立てて消え、代わりに…… 消えた場所から、バケツ一杯程の水が降ってきた。 「にゃはぁぁぁぁぁぁぁっ!?」 断末魔のような声があたりに響く。 「つめたぁっ!?ちょっと…何これぇ!びしょびしょじゃないっ」 当の本人は、自分に何があったかわからないようだった。 「何なのよぉ!いきなり水が降ってくるにゃんてっ…ふぁ…くしゅっ」 「おいおい…やり過ぎじゃないか?」 俺はルレアに上着を着せ、ほんの少し蘭丸を睨んだ。 「すまぬ…、少々度が過ぎたか…。じゃが、目は覚めたかの?ルレアよ。」 蘭丸がすまなそうにしながら尋ねる。 が、ルレアは首をかしげ、逆に聞き返した。 「ふぇ…?私…どうかしてたの?とりあえず私が水を浴びせられた理由を知りたいんだけど」 「あぁ…それは…じゃな……お主がぼーっとして反応もせんからな、頭から水を被せてみたんじゃ。」 「私、ぼーっとしてたんだ…」 「気は落とさんで良いぞ?わっちがやり過ぎただけじゃからな。」 蘭丸は少し笑いながら言った。 ルレアもつられて笑う。 「ふふ…ありがとね。」 「れ…礼なぞ…いらんっ」 言われ慣れていないのか、蘭丸がルレアから目を逸らす。 照れているのか、尻尾をやけに振っていた。
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