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「チェ…」
「…チェ?」
まず副会長の手を振り払って、頭を勢いよく引く。
「「チェェェストォオォォ!!」」
ゴッ!!ガッ!!
前のが俺が頭突きをかました音、後のが彰が双眼鏡をぶん投げた音である。
彰の投げた双眼鏡は副会長の後頭部にクリーンヒットし、前と後ろの両方からの攻撃を受けた副会長が倒れる。
攻撃のタイミングもぴったりだ、流石親友。
「うっし彰逃げるぞ、さっさと降りてこい!」
「分かってんよ!!それよりもりょーちゃんは足遅いんだから先に校舎に向かってて!!」
「足遅くて悪かったなバーカ!!」
イラつくけれど、彰が俺よりも足が速いことはよく知っているため、言われた通りにダッシュする。
大体俺が遅いんじゃなくて彰が速すぎるんだよ!!
俺の親友である彰は、所謂天才というやつである。
身体能力も計算能力も、全ての分野において驚異的な数値を叩き出しているのだ。
ちなみに関係無いけど、ルックスも家柄も最上級。神様って不公平。
だから本当はSクラス―――つまりはこの高校の最も質の高いクラスに行けるのだけど、何故か俺と同じ平凡クラスもといBクラスにいるという変わり者。
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