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「彰くん格好いい、抱いて!!」
「何、気でも狂ったのりょーちゃん!?」
「なんと無く言ってみたかっただけ!!」
「そんな!!私の心を弄んだのね!?」
軽口を叩いている間に彰は俺の隣に来て、泣き真似をした。
「ちょっと、待ちなさい貴方たち!!」
後ろで何やら副会長が騒いでいるが、当然無視である。
「いやー、これはもう完全に遅刻だねりょーちゃん」
「あのホスト教師絶対怒るよな…」
そう、実はあの転校生が騒いでいた辺りで始業のベルは鳴っていたのだ。
副会長が腕時計を見ていたのは、そう言う意味だろう。
「それじゃあ、また後でな転校生!!副会長は永遠にさようなら!!」
後半は完全に空気と同化していた転校生に挨拶をして、ひたすら校舎へと走る。
「お、おうまたな亮!!」
早速呼び捨てかよ。
後ろから返ってきた声の主を睨めば、ヒラヒラと手を振ってきた。
まあそんなこんなで、副会長と転校生は運命の出会いを果たしたらしい。え、俺?勿論数に入れないよ。
これから二人は様々な困難にぶつかりながらも、その度に二人の絆は深まり、最終的にはゴールインするのだろう。
はいめでたしめでたし。
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