116人が本棚に入れています
本棚に追加
モジャモジャした毬藻頭に、今時何処で売ってるんだと聞きたくなるような瓶底眼鏡。これが転校生の特徴であった。
そんな奴と副会長がお姫様だっこの体勢で見つめあってる…おっふ。(二回目)
おっふ状態の俺とは正反対に、今まで静かだった彰は何処からかカメラを取り出して写真を撮り始めた。
あの毬藻頭の何処に萌えるんだ?そして無言なのが逆に怖いんだが。
俺が彰に気をとられている内に、副会長は転校生をゆっくりと下ろしたようだった。
顔を赤らめた転校生は、副会長に頭を下げる。
「っありがとう、ございます。それと本当にごめんなさい、下に誰かいるだなんて思いもしなかったんだ…です」
「いえ咄嗟に避けられなかった私も悪いですし、どうか気にしないでください。それと敬語は外してくれて構いませんよ」
誰が見ても分かるような、いっそ清々しい作り笑いをした副会長だったが、それに気がついた転校生は眉をしかめた。
そりゃそうだよな、俺だって目の前であんな風に作り笑いされたら嫌だし。
俺と転校生の思考はシンクロしたらしく、彼は大きく口を開いた。
「お前、どうして気持ち悪い作り笑いなんてしてるんだ!?ちゃんと本物の笑顔を見せてくれよ!」
直球ー!!
ニコニコと笑顔で毒を吐く転校生に驚いたのか何なのか、副会長は固まってしまった。
が、次の瞬間クツクツと喉をならして笑う副会長。
どう見ても悪役の笑い方です、本当にありがとうございました。
最初のコメントを投稿しよう!