微生物を崇める系男子はモテるらしい

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いきなり笑いだした副会長にドン引きしていた俺の隣では、復活したらしき彰が鼻息を荒らげていた。 「うっはー、王道転校生の代表的な台詞ktkr!カメラだけじゃなくてボイスレコーダーも持ってくれば良かったなー」 悔しがってる彰に、副会長は何故笑っているのかを聞けば、自慢気に話し出す。 「そりゃ、今まで自分の作り笑いに気が付かなかった…言い換えれば表面しか見てなかったような人間に囲まれてたんだから、作り笑いに気付いてくれる人がいれば、嬉しいに決まってるでしょ!?」 「そういうものなのか…ん?いや、結構な人数の奴が作り笑いに気が付いてると思うんだけど。怖くて言えないだけでさ」 「それはほら、副会長って馬鹿だから」 成程納得だ。 つまりは『誰も本当の僕なんて見てくれないのでしょう…』とか思い込んでいた副会長が、やっと自分の内面を見てくれた転校生に運命感じてる訳だろ? あいたたたwww 声を殺して笑う俺と彰を置き去りにして、転校生と副会長の会話は続く。 「改めて初めまして、僕はここ、星華高校の副会長を務めている渡辺和真(ワタナベカズマ)と申します。以後お見知りおきを」 触り心地の良さそうな薄茶色の髪を揺らす副会長は、綺麗な微笑みを見せてくれた。 それに満足したらしき転校生も、満面の笑みで言葉を返す。 「俺は成瀬樹(ナルセイツキ)!今日からここに通うことになったんだ、宜しくな和真!俺の事も樹って呼んでくれよなっ」 副会長はいきなりの名前呼びに驚いたようだったが、すぐに笑って手を差し出した。転校生もそれに応じ、二人仲良く握手。
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