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ぷにぷに。
幸せだ。感動だ。柔らかい。彼女のそれは、突き立てのお餅のようにソフトだった。
「うっ、うにゅ」
愛くるしい声なんかも上げちゃって、ますます僕のテンションが上昇する。
ふむふむ。次は、引っ張ってみるか。
「ぐにゅ」
餅のような感触と共に可鈴の頬も伸びる。堪らなくなって、もう片方のそれもつまんだ。
ゲームのリモコンよろしく下に横に上にと動かす。これが本当のコントローラーなら世界チャンプも夢じゃない。
「随分たのひそうね」
その冷たい一言で、手の動きが氷漬けにされたかのようにピタリと止まる。語音がおかしいのは、僕が頬を引っ張っているからだろう。
目線を少し上にもっていく。すると、さっきまで気持ちよく寝ていた彼女の顔が鬼の形相に変化していた。
そこから刃物のような鋭い視線が僕に向けられている。
手を払いのけられ、彼女は上半身だけを起こした。それにより、ベッドに散っていた髪が一つへと統一されていく。
床に腰を下ろしている僕を目下に彼女が開口する。
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