プロローグ

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てててててっ 今日も永遠亭の兎・因幡てゐは元気に長い廊下を走る。 ふわふわの綿雲のような耳と尻尾を揺らす。 キョロキョロと辺りを見回し何かを探すその様は、とても愛くるしい。 年増だけど。 「あっ!」 てゐが不意に声をあげて立ち止まった。 どうやら捜し物が見つかったようだ。 てゐの目線の先には月の兎こと、鈴仙・雲曇華院・イナバ 通称うどんげがいた。 うどんげは師匠である八意永琳と何やら立ち話をしていた。 「鈴仙ちゃーん!」 うどんげを見つけた嬉しさからか、てゐは勢いよくうどんげに突撃した。 「グハァッ!? あぁ、てゐか」 誰だと思ったのだろう。 とりあえずうどんげの口から何か赤い液体が出たことは気にしない。
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