少年は只勇者であるが故に幕開けを知る

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 四つ目のそれは、洞窟内の『ルール』だ。  まず、ルールとは、守るべき規則だ。それを守らなければペナルティが課せられる。  どうやら、洞窟には管理する何かがいるようで、毎回『ルール』は変更される。  その『ルール』は例えば、「武器を使ってはいけない」や「一定範囲内で敵と戦わなければならない」などだ。  この『ルール』は、基本的に洞窟に入った時や、怪物、人間と決闘した際に取り決められる。  これのせいで約三十人が死んだ。虐殺された。  そして、これを政府は危険と見なし、洞窟は一度凍結された。  が、その少し後に超能力が生まれたことで政府は凍結を解除した。  超能力。  超常現象を起こす力。  火をおこす、電撃を飛ばす、考えを読む、空気の流れを操る、瞬間移動する…………。  夢の力だ。  これは、洞窟の中のテクノロジーを研究した結果、偶発的に手に入れたものである。  俺は超能力など持っていないが、俺の幼馴染である渚がとんでもない能力を保持している。  だが、まぁ今は置いておこう。  とにかく洞窟の四つ目の異質なことは『ルール』があることだ。
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