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10歳の夏休み、少年は両親と一緒に叔父の家へと遊びに来ていた。叔父の家は、少年の自宅から電車とバスを乗り継いで約一時間。勇気さえあれば少年が一人で来れる程の距離だった。
しかしそんな距離にも関わらず、少年は道中母親に文句を言ってばかりだった。理由は、朝早くに出発したため、お気に入りのテレビ番組が見れなかった事。午前中から30度近い暑さだった事。そして何より、少年はずっと座っているのが苦手だった。
母親は、
「もうちょっとだから、我慢しなさい」
と言うばかり。
少年もじっとしている以外になかった。
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