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「お義兄さん、お久しぶりです」
「あ、これ、おみやげよ。はい」
「気を遣わなくてもいいのに。でもありがたく頂くよ。暑いだろう。さあ、中へ入って。」
少年はその男性を、ぽかんとしたままじっと見つめていた。この少年は少し人見知りする所があるのだ。
「君が、宏志君か」
少年は母親の後ろに隠れるようにして立ち、陰から覗くように叔父を見ていた。
「ええ、宏志、ほら、隠れてないで。叔父さんに挨拶は?」
「……」
「ごめんなさいね、この子ったら、10歳にもなって人見知りで…。宏志、覚えてないの?ずっと前に会った事があるじゃない」
「ははは、仕方ないさ。宏志君、アイスは食べたくないか?」
「食べたい!」
「おお、元気な返事じゃないか。さあ、中で一緒にアイスを食べよう」
「もう宏志ったら…。兄さん、ごめんなさい」
「いいんだよ。子供はこのくらい素直な方がいい」
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