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「んなこた言ったってなぁ。トリガーが出てもヴァンガードにパワーを振らないと届かないじゃん? リアパワー上がらないじゃん? 防ぎやすい気がするし、相手がトリガー引かないと優越感に浸れるし。ともかく十人十色って感じ」
優越感が本音だろう。一瞬でそうだと気づいた夕方は、内藤の言葉にくい気味で自分のターンを宣言し、カードを一枚デッキから捲る。
「お天気お姉さんのブースト、アマテラスでヴァンガードにアタック!!」
ドライブチェックする前の手札は2枚。お天気お姉さんの効果は乗らないが、20kで殴れる。でも今はお互いダメージ4。内藤がシラユキを持っていたらその1枚でアマテラスの攻撃を防ぐことができてしまう。持ってませんように、そう祈りながら内藤の指先を見つめる。
「ペルソナブラスト。シラユキで完ガ」
シラユキの元の攻撃力は11k。2回トリガーを引いたとしても攻撃は通らない。
「……一枚目。二枚目、ゲット!! ドロートリガー!! パワーはタギツヒメに。1枚ドロー」
落胆しながらドライブチェックを行う夕方、トリガーを引いた瞬間テンションが上がる様を見て、内藤は呆れながら聞き流す。
「それはノーガード。ダメージチェック、ゲットヒール。回復しーのパワーはVに」
「まじかよ」
トリガーを引いて高くなったテンションは、一瞬でドライブチェックをする前のテンションに下がってしまった。このターン内藤にダメージを与えられなかったのは大きい。
ファイトは内藤が勝った。内藤はオボロカートの効果で、手札の消費を抑えつつ場を展開。トリガーの多い手札と攻撃力の高いユニットが手元にない夕方は、ジリ貧になっていく一方。ターンのはじめに引くカードがトリガー、アマテラスのソウルチャージで引くのもトリガー。序盤中盤でトリガーを引いた夕方の攻撃を、内藤は最低限のガード値で防いでいった。
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