ヴァンガ話

スタンドアップ

　ショップ大会。週に一度行われる大会に出場した少年は頭を抱えて泣き出しそうになりながら、卓上の惨劇を見ることしかできなかった。
　くそっ！！　折角リアにタギツとショタ（スサノオ）を出したのに速焼かれた……。
　少年が繰るデッキはオラクルシンクタンク、軸はツクヨミ。G０の神鷹一拍子と満月が規制されてからは、少年の周りでツクヨミを見ることが無くなった。遠いどこかで使っている人はいるかもしれないが、今まで少年がそんな場面に出くわした事がないが為に、ネガティブな考えが頭の中で渦巻いていく。
　やっぱりツクヨミじゃ勝てないよな……。強い強いって言われてたらしいが、なるかみはなんなんだよ……。
　少年の場にはパワーの高いユニットが存在しない。つまりインターセプトできるユニットはない。手札にもガード値の高いユニットは無い。完全ガードも存在しない。ダメージ５で相手の攻撃を全て防ぐ事は不可能なので、少年は弱々しくファイトを終わらせる言葉を口にする。
「ノーガードで」

　ショップ大会の結果は３戦０勝。相手は全てなるかみ。放心しきった少年は、ショップ大会に参加しない事を密かに誓った。
　ファイト仲間がいないから、ショップ大会に出てみた。だが、周りが思ってたより本気だったのでなすすべもなく敗れた。抹消者に太刀打ち出来ずに終わった。
　そもそもショップにボッチで乗り込むのは失敗だね。周りは皆少人数のグループでショップに来ていて、自分みたいなボッチは見当たらない。最初っからこの時点で失敗したと思っていたが、大会が終わった今はもう何も考えたくない。