星を継ぐモノ

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LunarisBloodyFrame/ルナリスブラッディフレーム。SWHシステムにより、無限に近いエネルギーを産み出し、素粒子素材により構成された装甲は全ての物理攻撃を防御する。しかし最も特筆すべきは乗る人間である。シバレースと呼ばれるルナリス最高レベルの騎士である。単体でBFすら破壊することの出来る彼等が動かすLBFはORライデットを除く全ての兵器を凌駕する。 故にLBFを動かす者は戦の全権代理人である。シウダッテ側、教導騎士団筆頭のオセ・ノーランはその事を理解していた。同様にマルセイユ側の傭兵一番隊筆頭騎士である、ナオミ・スノーヴァもそう感じていた。 大気圏外からLBFの主戦場と決められた領域から各々の兵が退避して行くのを確認した後、″整地用の″艦砲射撃が地表へと行われた。 ″非常″に高価な兵器であるLBFは破損することは滅多に無いものの、もし大破等した場合は、政府予算の半年分が吹っ飛ぶことになる。そうなるなら、地表を整地して戦い安くした方が安くつくのだ。 整地用の衝撃波弾頭が着弾した地点から円状に広がる衝撃波が地を這いながら凹凸を平らにしていく様を二星のシバレース達はコックピットのモニターから眺めていた。 同時に彼等を乗せた2km級の船は互いに交錯しつつ、LBF落下ポイントまで移動する。その中では二星のLBF合わせて8機が戦の準備を進めていた。 格納庫の中はエーテルにより完全な無重力である。それはLBFのエンジンが起動している間は物理干渉により″自重″による破損は起こらないが、素粒子素材以外の部品が重い為に物理干渉がないと破損するためである。 その中を整備用BDが操作する自動整備ポッドが複数動き、間接のロックが外されたLBFに外部装甲を取り付けていく。それと同時にパイロットであるシバレースはLBFのエンジンを起動し、HUDを操作して関節をはめていく。その数は膨大であり、筋肉で動く人間と違い、LBFは関節自体に駆動系が仕込まれているからだ。 それを完全に操る為にLBFにはBDと同じ原理で製造された人工脳が搭載されている。しかし知能は幼児程度で、その処理機能は機体の物理干渉現象と機体バランス、出力調整に割り振られている。
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