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「ええ」
「国家は国民のものだ。権力の暴走は憲法で止めなければならない」
「はい」
それからマーク殿は我々に切り出した。
「マリー。それにサイム、ハル。今から時間は空いてるかい」
私たちは全員うなづいた。
「今から連れていきたい処があるんだ」
そうしてマーク殿が我々を連れて来たのはとある庭園だった。
「こんな場所にこんな美しい庭園があるなんて」
マリー殿がそう言って感嘆しているとマーク殿はおもむろにこう言った。
「庭が綺麗なのは何故だかわかるかい」
「それは庭師か家の者がきちんと手入れをしているからです」
マリー殿は即答した。
「うん……。マリー、君の名前は父さんが好きな花であるマリーゴールドから付けられたんだ。マリーゴールドの花言葉は"信頼"なんだそうだよ。」
マリー殿は黙っていた。
「サイム、ハル。妹を頼む」
……我々は何が何でもマリー殿をお助けしなければならない。そう心に誓ったのだった。
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