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「渚?戻ってこーい」
佳穂が私の背中を軽く叩く。ここは近所でも一番おしゃれなカフェ。私と佳穂は端っこの小さな丸テーブルに座っている。
「ここにいるよー」
「いや、霊(たましい)が出て行ってるから。口からぽわーって、餅みたいに」
自分の口から、イラスト化された白い霊が出ているのを想像する。
いつもなら笑って佳穂を叩くところだけど、今はそんな気力もない。
返事をする代わりに、私はテーブルの上に両腕をついて伏した。
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