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つまりだ。
俺と糸賀は、元から居ないものの様な扱いを知らない内に受けていたということだ。
誰もが俺たちの存在を忘れ、そして班にいれてくれることもしてくれなかったという訳なのだ。
極端に言えば、省かれたようなものだ。
総勢人数38人で構成される内のクラスでは、俺と糸賀はいつもこの様な扱いであった。
理由は簡単だ。
厨二病だから。
厨二病だからバカにされているのだ。
糸賀は。
なら俺は!?
不意に考えて見たら、自分が毛嫌いされている理由が見つからない事に俺は自分でツッコミを入れる。
「何故、俺は糸賀と同じ扱いをされているのだろうか?」
「それはお前が天パーだからだろ」
誰に尋ねたか自分でも分からなかった疑問に答えたのは、突然俺の背後に現れたドS野郎だった。
「うおっ!江成くん、いつの間に…」
この席にはいなかった彼の突然の出現に驚きを露わにさせると、先生がこちらに気づき声をあげる。
「針川くん、授業中に私語は慎みなさい!」
「うっ…すんません。」
「はは、ざまあ。
授業中に堂々と声あげるからバレるんだよ!」
俺が怒られるのを見ると、江成くんは腹が立つような口調でこちらを指差して挑発してくる。
クソッ!イラつく!
歯軋りして悔しさを露わにさせていると、神は俺に微笑んだ。
「江成くんも、戻ってたのなら一言私に声をかけなさい!」
「は、はい、すんません。」
「ははっ!他人の事言えねぇじゃねぇか!」
江成くんも先生に怒られるのを見て、胸のモヤモヤが解消される。
「うっせ、黙れ!
このガスコンロでお前の天パー引火させてやろうか?」
「はははっ!
それは寧ろ好都合だよ!
やっとこの天パーから解放されるってことじゃないか!」
「いや、寧ろ天パーが焦げて更に天パーが増すんじゃないか?」
高笑いをした俺に、橋下が冷静にツッコむ。
「人工的天然パーマメント的な!?」
「何だよ、その矛盾したネーミングは!」
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