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珠季のネーミングセンス皆無な発言につっこむと、今度は江成くんがまたも突っかかってきた。
「つか、その天パー全部剥ぎ取ったってもうお前は手遅れだろ。」
「何を!」
「その天パーの毛根が根強く頭蓋骨まで届いているから何度ハゲ散らかそうが数ヶ月後には綺麗な天パーが咲き乱れることだろうよ」
「べ、べべ…ベリィィィーシッッッットォオオ!!」
江成くんの非人道的な鬼畜の極みとでもいう発言に俺は頭を抑え、天井に顔を向けて叫んだ。
なんて事を言うんだ、この御仁は!
そして、そのまま俺が狂人になりそうになった時だ。
頭がボーッとして真っ白になって行く中で、俺を一瞬で現実に引き戻す言葉が脳内に響き渡った。
「いい加減にしなさい!!」
「うおっ!!」
心臓を貫くような怒鳴り声をあげた人物は、確認するまでもなく誰だか分かった。
「授業中だというのに、その態度は何ですか!」
先生だ。
俺は、冷や汗を流しながら先生の方を振り向く。
「あっはは!やーい、やーい。
怒られてやんのー、針川ー!」
「貴方もです!江成くん!」
「は、はいぃっっ!!」
自分は悪くないと高を括っていたのか、江成くんが調子に乗った言葉を豪語すると、先生に注意を受ける。
そして、焦った顔から不満そうな顔に表情を変化させると江成くんは言った。
「でも、喋ってたのはこいつらもですよ?」
この人……
罪を緩和させるつもりだ!
江成くんは俺たちの班にいるメンバー全員を指差して抗議する。
怒られる側の人数を増やすことで自分への責任を減らすというアマチュア並みの策に売って出た江成くんに俺は素直に関心した。
この人……天才かっ!?
そうと決まれば俺も加勢だ!
「そうですよ。というか、最初に話を振ってきたのは橋下くんです。寧ろこれは橋下くんを叱るべきじゃないですか?」
「おい!過去を遡るな!」
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