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「もう、だから、えと、その…つまり…」
真っ白になってしまった頭のメモ帳に帳尻合わせとして何かを記入しようとするが、パシリしか出てこない。
やばい、ここまで言っといてこの体たらくはやばい。
何か言わなくちゃ…
パシリ。
違う。何を言えば…
パシリ。
一回、落ち着け!
大丈夫、まだ時間はある。
パシリ。
よく考えるんだ。
冷静に考えさえすれば…
パシリ。パシリ。パシリ。
何か…何かを…
パシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリパシリ。
ぬおぉぉおおおぉ!!!
ゲシュタルトがぁっ!!
ゲシュタルトが崩壊する!!
パシリ言い過ぎてパシリが何なのか分かんなくなってきたよ!
パセリの仲間だっけ?
あれ?パセリって何だったっけ?
パシリの仲間だっけ?
もうドッカーンだよ!
意味が分からない!!
もう…終わった…
俺は手で顔を覆い、愕然とする。
しかし口元が緩み、気持ちが清々しくなっていくのが分かった。
ふっ…まさかパシリにやられるとはな。
まったく、人生って奴は何が起こるか分かったもんじゃないな。
だけど、何でだろう。
こんな終わり方も、別に悪くはないって…
そう思ってしまう自分がいる。
「ふっ…頭がおかしくなっちまったのかな。」
「天パーだから、元から頭はおかしいだろ。」
心の声をいつの間にか外に出してしまっていた俺は、隣にいた江成くんに罵声を浴びる。
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