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私は成長しない。成長出来ないし、したくない。この場合は「したくない」と言うのは「出来ない」事への言い訳だ。普通の人間のように、「したくない」子供っぽい感情さえも歳と共に消えて大人になるのだろう。ふざけて、適当で、偉そうにして、上から目線で、立場は逆転しているのにガキ大将で居る事を楽しむ。その隙間に、また大人ぶって「虚しさ」とか言ってみる。ずっとその幼さから抜け出さないままだ。
子供時代の自分からの遺言だった。
「変わらないで下さい」
その頃から変わっていないが、当時の私よりも劣化しているだろう。劣っているし。卑しくなった。
子供で居たいと思った。大人になったら経験する感情は一生知りたくないと思った。特に恋愛感情だ。男女の仲は一生理解したくなかった。実際、理解しないで済んだ。しかし、周りは普通に成長して、成熟する。ごく普通に。普通の生物であり、何よりも人間として。
私自身には関係が無くても、少しでも交友関係を築き、普通に紛れ込もうとすれば、この手の話はどうしても話題に上がる。
正直、聞きたくないと言うのが本心かもしれない。やめてくれ。お願いだからやめてくれ。大人の世界の、恋愛とか汚い世界の話は聞きたくない。美しいとか言われていても、恋愛小説を読んでも、私にはその良さは一つも、ちっとも解らない。
大人だけではなく十代も普通に楽しみ、「あまずっぱい」とか言われる思い出になる事は最近ようやく知った。それでも、私はそんな半端な子供と大人の境目なんて、すごく嫌で。そんな大人の階段を昇りかけも大嫌いで。そんなものに足を掛けるのも嫌だった。それが多分、恋愛嫌悪の初めだった……かもしれない。
自分の中でももう曖昧になってしまった。なんで嫌いかなんてもう理由はありすぎるけど、本当の決定打はよくわからない。
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