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「……改めてみると結構これ酷いね」
「ああ…」
「ってかあの五人組どこ行ったんだろう」
俺達を寮長室に行かせてからずっと何してたんだろうか。ここにはいないし…
帰ったかな?
「……諦めて帰ったんじゃないか?」
「やっぱり?」
なんて中途半端な奴ら…でもよく見ると部屋の中がさっきよりも少し整ってるように見える。
家具類も全部ちゃんとした向きだし…問題は床にある破片たちだな…うーん踏んだら痛いよなぁ…
あ、靴のまま上がっちゃってもいいかな。どうせもうここ修理とかするからしばらくは使わないでしょ
よし、そうとなれば行こう。
「うーん、だいぶ面倒くさい…」
「そんなに物あるのか?」
「いや…親衛隊の子がよくプレゼントとかくれて…「隊長のおかげで会長様に名前覚えていただけました!」とかね。それでお礼にってよく可愛いぬいぐるみを…くれてね…」
そういって俺の部屋に通じるドアを開ける。凹んでたりするせいで結構開けにくかった。
頑張って開けたドアの向こうに広がっているのはなんとも可愛い女の子みたいな部屋。そう、人形だらけなのだった…
「えっ……これは…」
「…晴伎くん今結構引いたでしょ…」
「いや、なんか見た目通りの部屋だなって思って…」
「違うよ!?これ俺の趣味じゃないからね!みんなのプレゼントだからねほとんど!俺の持ってきた荷物って結構少ないからね!?ってか、冬休みと春休み中にあんまり使わないもの全部家に持ち帰ったんだけどね…お気に入りのものだってだいたい持ち帰ったからね…カレンダーとかも好きなのあったけど貰い物あるからって持って帰ったからね…」
「…生徒会、の親衛隊長って結構大変なんだな」
「人付き合いが特にね」
本当にこればっかりはどうしようもないんだぁ
「で、どうするんだこの人形…」
「……置いていくわけにはいかないっしょ。全部移動だよ…」
「相当時間かかるよな」
「うん…」
本当だよこれ…結構移動させるの大変だよね…
なんで人形って意外とデカいの?1回にいくつ持っていけるのこれ…
新しい部屋近くて良かった…でもつらいわ
「…あ、そうだ。ちょっと待ってろ」
そう言って晴伎君は自分の部屋に入っていく。
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