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「えっ…泣いてる!ど、どうした青樹、どこかぶつけたりしたっ?」
「あれ…怒ってない…?」
俺の顔を見た晴伎君はとても焦った顔して俺に近づいてくる。え、怒ってないの…?それとも俺が泣いてるから呆れてるの…?
「え、なんで俺が怒るんだ…?」
「…だってぇ、さっきなんかすっごい怒ってるみたいな言い方…してたから」
泣いてるとなんでこんなに喋りづらいんだろうか
「…あっ、それは…本当にごめん青樹…」
そういって晴伎君は何故か俺を抱きしめる
身長差考えて身長差!絶対20cmはあるでしょ!!俺がすごいつらい体制になっちゃってるから!!
「俺…時々言い方きつく聞こえる時あるみたいで…そのせいで怒ってるって勘違いされたり、逆に怒られたりで今まで友達とか出来なくて…それを唯一わかってくれてたのが馨で…馨にも何回も言われたから自分でも気にしてるつもりだったけど…それなのになんか、こうして青樹と話してたらそういうことも忘れるくらい楽しくて…だからつい忘れてた…本当にごめん、こうして青樹泣かせちゃって…」
そこで俺を抱きしめる晴伎君の腕が少し震えてるのに気付いた。
「いや…だよな…こんな俺と同じ部屋で…本当にごめん。青樹が嫌なら俺…もう関わらないように…っ「それは違う!!」…え?」
「俺はそんな小さいことで晴伎君嫌いになったりしないから!ちゃんと…晴伎君が優しくていい人って知ってる…だからこのダンボールも俺に貸してくれたんだもんね。わかってるから…きっとさっきのも俺の事心配してくれたからなんだよね、ありがとう。助けてくれて本当にありがとう、晴伎君」
あー、これが馨先輩や晴伎君が心配してたことなんだなぁって今更気づく。確かに怖かったけど、それも晴伎君の優しさだって今知ったし。感謝してる…
「おい…何大声出してるんだ…」
「えっ…会長…?」
凄く良いところで階段の下から上がってきたのは生徒会長、結木龍也だった。
「…お前は、青樹と天原か?」
「会長……様…?」
危うく様付け忘れるところだった
「こんなところで何して…って、青樹…泣いてるのか?」
oh…さっきのままで涙流しっぱなしじゃねぇか…
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