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神谷征羅side
目の前には僕より身長のデカイ転校生の永倉律
いきなり汐に話をかけ、輪の中にズカズカと入ってきた。
そのうえ挨拶をしたら、呼び捨て名前呼びをしてきて、さらには友達にさせられてしまった…。
まあ呼び捨てなど許すわけにはいかないので黙らせたが。
「なあなあ!会長の後ろのデカイやつは?てか!そのもっと巨人は名前教えてくれないんだ!!」
……夏樹、名前ぐらい教えてあげてもいいんじゃないか?
「…コイツは七宮で、俺は小野寺だ。そう呼んでくれ」
「ちょ!なんで教えるの、おーくん!」
夏樹の代わりに奏志が答えた
名前呼びを避けるための奏志なりの配慮も、夏樹は気づかずにムスッとしている
「小野寺と七宮な!よろしく!!二人とも笹山と同じで下の名前忘れたのか?」
忘れた……?
…クスッ…それには無理があるだろう馬鹿功李…っ。
すると、
「きゃあああああああああああああああ!!!」
と、歓声が沸き上がる
その直後、
「汐たーーーーーーーーんっ!!!」
ドドドドドドッ…
むっぎゅううううう
「…離してください、駄目犬」
「よーっ、なにまだご飯食べてねえの?時間なくなるぞww」
汐に抱きつく亮太と笑ながらやってきた功李
なるほど…こいつらが来たから周りがざわめいたのか…
「あ、もしかして奏ちゃん俺たち待ってくれてたの?ww」
「なっ、なんで俺に振る…!別に待ってなどない!お前らみたいなうるさいやつがいない方が静かでいい!」
「奏ちゃん酷っwww」
功李と奏志は、仲がいい
奏志は嫌いと言っているが満更でもないのを僕は知っている。
副会長を二人にさせたのは僕の考えだったが、こんなに仲良くなるとは思ってなかった
だからちょっとだけそういう相手がいることに羨ましく悔しく……
「んー?征くんどったのー?元気ないなら俺が元気にしてあげる」
考え込んでるところを夏樹は気づいて僕の手を握ってにこっと笑った。まるで子供みたいな笑顔に僕はどれだけ助けられたのかな。本当に
「ふふ、夏樹ありがとう」
夏樹は生徒会メンバーじゃない
……というか僕がそうした
それには理由がある
まだそれを伝えるには早いから言えていないけど……
「いつか…」
「ん?なんかいった?」
「…いや、なんでもないよ」
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