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服の中に手を滑り込ませて、鍛え上げられた腹筋を撫でる。舌や指を身体に這わせるついでに少しずつ服を捲って、肌の面積を増やしていく。
徐々に下へずれて、動けない友人にとって今一番触れてほしくないと思われる物に唇を落とした。
「ーーっ、もういいだろ、いい加減にしろ。」
「やぁだ。」
邪魔な髪を耳にかけてから思うままに弄ぶと、さっきまでの悪態が消え、その代わりに何かを堪えるような吐息が聞こえてくる。押さえ付けていた腕はもうとっくに離しているというのに、友人は俺の頭を掴もうとすらしない。
前にも何度か同じような事をした時は、だいたいこの辺りで我慢の限界を迎えていたのに、今日はなかなか粘るな。
「お前今日は結構頑張るねwww」
「うっせぇ、テメェ後で覚えてろよ。」
「やだ怖いwww」
もう何がって目が怖い。ギラギラした目で鋭く睨みつけてきてんの。今日はやけに我慢強いけど、そろそろ限界らしくて、今にも食われそうだ。上に乗ってるのは俺なのに今めっちゃ怖いwww
仕方ない、そろそろ許してやるか。ーーそう思って、屈めていた体を起こして友人の下腹辺りで跨り、ズボンに手を掛けた時、「わり、もう無理」と、低く唸るような声が聞こえたと思ったら、物凄い力で強制的に視界が反転した。
「は……?」
ほぼ一瞬の出来事だっただけに、すぐには状況を理解出来なかった。少なくともわかっている事は、さっきまで自分の下にいた友人が、今度は俺の上にいるという事と、両腕を床に縫い付けるように押さえ付けられているという事だ。
……って、これはちょっと冗談抜きでヤバい。
「い、嫌だ! ともひと、これはやだ! 嫌だ、離せ!」
両腕を拘束されているせいで身動きがとれないから、せめて首を横に何度も振って拒否する姿勢をとるしかない。長い付き合いの友人なら、俺が組み敷かれるのが何より嫌いだって事はわかってるはずだから、こちらが必死に頼めば聞いてくれると思った。
「友人、ごめん……ちょっと調子乗った。だから離して、マジでこれ怖いから。」
「無理。」
そうとう余裕が無いのか、感情の無い声で即答された直後、飢えた獣のような友人に首筋を噛み付かれて思わず悲鳴が漏れる。跡が残りそうなほど強く噛まれて震えが止まらない。
「ごめ、ごめん……ともひと、ごめ……なさ……」
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